辞書辞典による河童の解説


書名
解説
広辞苑
岩波書店
第四版
かっぱ【河童】(カワワッパの略)
@想像上の動物。水陸両性、形は四〜五歳の子供のようで、顔は虎に似、くちばしがとがり、身にうろこや甲羅があり、毛髪は少なく、頭上に凹みがあって、少量の水を容れる。 その水のある間は陸上でも力強く、他の動物を水中に引き入れて血を吸う。河郎。河伯(かはく)。河太郎。旅の人。かわっぱ。
A水泳の上手な人。
B頭髪のまんなかを剃り、まわりを残したもの。→おかっぱ。
C見世物などの木戸にいて、観客を呼び込む者。合羽。
D(川に舟などを浮かべて客を呼ぶところから)江戸の柳原や本所などにいた私娼。船饅頭(ふなまんじゅう)
Eキュウリの異称。
かっぱき【河童忌】 芥川竜之介の忌日。七月二四日
かっぱまき【河童巻】キュウリを具にした海苔巻きずし。
大辞林
三省堂
かっぱ【河童】〔「かはわらは」の転〕
@水界にすむと考えられている動物。くちばしがとがり、甲羅や鱗があり、頭の頂に水をたたえた皿がある。人間に相撲を挑んだとか、人馬を水中に引き入れたとか、田植えを手伝ってくれたとか、人間界との交渉を説く話が多い。水神もしくはそのお使いの零落したものかといわれている。かわっぱ。かわこ。かわたろう。みずち。しばてん。
A水泳の上手な人。また、水泳ぎをしている子供。
B子供の髪形。髪を下げ、耳のあたりで切りそろえたもの。江戸時代は頭のてっぺんを丸く剃った。
C〔河童の好物だからという〕キュウリ。また、キュウリをしんに巻いた海苔(のり)巻き。かっぱ巻き。
D見世物・劇場などの木戸口にいて客を呼び込む人。呼び込み。合羽(カツパ)。
E〔川に浮かべた舟に客を引き込むので〕船饅頭(ふなまんじゆう)の別名。下級の私娼。
大辞泉
Japan Knowlege社
かっぱ【河童】《「かわわっぱ」の音変化》
@水陸両生の想像上の動物。身の丈一メートル内外で、口先がとがり、頭上に皿とよばれるくぼみがあって少量の水を蓄える。背中には甲羅がある。人や他の動物を水中に引き入れて生き血を吸い、尻から腸を抜くという。かわっぱ・河太郎・川子・河伯、その他異名が多い。
A水泳のうまい人。また、泳いでいる子供。
B子供の髪形の一。髪を結ばず耳の辺りまで垂らして下げ、下を切り落としたもの。江戸時代には頭の頂上を丸く剃ったことからこの名がある。
C《河童の好物であるというところから》すし屋などで、キュウリのこと。また、河童巻き。
D《河童が人を引き込むというところから》見世物小屋などの呼び込み。江戸の柳原、本所辺りの売笑婦。
日本語大辞典
講談社
第二版
かっぱ【河童】
@想像上の動物で水界の妖怪(ようかい9.水神の零落して妖怪化したのも。体は青く童形で、おかっぱ頭の上に水を入れた皿があり、水がなくなると霊力を失うという。
馬を川に引き込む河童駒引譚(こまびきたん)は全国的に分布する。河伯(かはく)河太郎。がたろ。
A水泳のうまい人。
Bキュウリの俗称
C「かっぱまき」の略
河童の川流れ 熟練者も失敗することがあるということ。
河童の屁   わけもなくできること。たやすいこと。朝飯前。屁の河童。
岩波国語辞典
岩波書店
第四版
かっぱ【河童】
@想像上の動物。子供の形をし、頭の上にある皿に水をたくわえ、水陸両方に住み、他の動物を水中に引き入れて血を吸うという。
「河童の川流れ」(達人も時には失敗することのたとえ)
「河童の屁」(実に容易で何でもないないことのたとえ)
A水泳がうまい人。
B〔俗〕胡瓜
プログレッシブ和英中辞典
インターネット版
かっぱ【河童】
@[想像上の動物] a kappa; a water imp
A[水泳がうまい人] a good swimmer