鳥取県
光明寺のカッパ                       鳥取県日野町

 むかし、日野町黒坂の光明寺の近くの「カッパふち」に、いたずら好きのカッパが住んでいました。そばの道を通る人や馬を川の中にひきずりこんでは、おもしろがっていました。
 いたずらがあまりにもたびたびなので、光明寺の和尚さんが怒り、カッパを呼びつけて言いました。
「おまえはいつもわるさをする。今日はゆるさん!」
 和尚さんの法力に恐れをなしたカッパは、
「もう悪いことはしません。どうかこらえてください」
 泣いてあやまりました。
「おまえの姿を、この岩に彫る、それが消えてなくなるまで、おまえはふちからでたらいけん」
 と命じました。
 カッパは、閉じ込められているのがつらいので、こっそりと岩に登り、消そうとしましたが、消せません。ついにあきらめ、遠くに逃げてしまいました。
 この岩は、今でも残っており、「カワコ岩」と呼ばれています。
                               (鳥取県公式サイト:きっずらんど昔話)

解説:岩に彫った姿を使って妖怪封じをする民話は他にも類例を見ます。中国などの不思議話に原典がありそうです。河童が、川に引きずり込んむだけで殺していないのは、子供向けのサイトだからで、伝承そのものは殺しているのかも知れません