読売新聞関東版の朝刊、「家庭とくらし」のページのコラム「もののけ大集合」に、河童連邦共和国が掲載されました。
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ある雨風の強い日、沼のほとりで<カツパ>たちがゴミ捨いをしていた。ペットボトルや釣り糸、発泡スチロール。
ゴミ袋はたちまちいっぱいになった。「しようがないなあ」とカッパが悲しそうにつぶやいた。
自他ともにカッパと称する人たちが全国各地にいる。水辺に住む想像の生物カッパを愛してやまない人たちが、
各地で「カッパ村」を作る活動をしている。
茨城県龍ヶ崎市に住む榊原智道さん(61)は、「牛久沼かっぱ村」の四代目"村長"。定年を前に通い出した陶芸教室で、
カッパ作りに凝る初代村長と、それを教える二代目と出会ったことから仲間入り。今や自宅に工房を構え、
大小のカッパを生み出す。
「すっかりカッパに慣れ親しんで、『あれもかわいい、これもかわいい』と思います」牛久沼には古くからカッパの伝説淋残る。
畑を荒らすカッパをつかまえると、泣きながら謝るので沼へ戻したら、田んぼづくりを手伝ってくれた。
魅せられた画家・小川芋銭も、ここでカッパの絵を多数描いた。
しかし、上流からの生活排水で温の汚染は進んだ。昔はたくさん咲いたハスの花も今はこくわずかになった。
榊原さんらは市や漁協と協力し、沼の浄化を目指す。「カッパはきれいな水にしか住めないのです」と、カッパ魂をのぞかせる。
長野県駒ヶ根市の「駒ヶ根天竜かっぱ村」は、やはりカッパ伝説の残る天竜川をもり立てようと、地元有志で一九九〇年に設立。
昨年十二月には浄財を集め、川近くに「かっぱ神社」を建立した。美しい川の流れを守り、水難事故が起きないように、
と願いを込めた。「以前に比べて川はかなりきれいになった。カッパが、帰って来る日は近いかもしれませんLと、
村長の小島利昭さん(75)は心待ちにする。
国内外四十四か所にあるこうしたカッパ村が加盟し、全国組織「河董連邦共和国」(事務局・東京)を作っている。
合計で千人の"村民"がおり、「水は命、カッパは心」を合言葉に、環境保護や地域おこし、カッパ研究などを実践している。
この二十六、二十七両日には、栃木・鬼怒川に集まって年一回の大行事「第十六回河童サミット」を開催。
テーマは「くつろぎの清流と豊かな自然」だ。
事務局長の田辺宏守さんは、「カッパの視点から水間題を考える必要がある。我々は近くの河川や湖沼のことをまず考えがちだが、
地球規模で取り組まねば。今日のカッパ族はあまりのんびりとしていられないのです。
村民の高齢化がちょっと気になるけど、カッパたちは一生懸命、知恵を絞っている。
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今は亡き、板久氏が住まわれていた家が、そのまま事務局になっているようですね。
現在の事務局には、なにかと批判もあるようですが、推進役を失った今、粒は小さくても、がんばって組織を維持している事務方のみなさんです。
支持しなければいけないと、私は思っています。彼らも、経験を積めば立派な河童のお役人になるでしょうからね(^0_0^)
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