河童名所探訪
陶芸の里益子と横倉正氏の「かっぱ展」


掲載日:2004年3月28日
最終更新日:2004年4月24日

益子地図  栃木県芳賀郡益子町は、「益子焼」と陶芸の里として有名です。

 陶芸店が軒を並べる通りに、ひときわ大きな陶芸店「やまに大塚」があります。

 そこで、2004年3月27日から4月11日まで、陶芸作家の「横倉 正」氏の「かっぱ展」が開催されています。

 良く晴れた春の日曜日、群馬県から、国道50号から294号と、東に2時間ほど走り行ってきました。

鶏足寺池の河童

 河童の太郎が水あそびの最中、そこに白たぬきの花子は、河童に化け、太郎に近づきました。

 あまりにも可愛い河童に、太郎は驚きました。たちまち花子を好きになりました。そして花子は、毎日河童に化けて 太郎をだましてたのしみました。

 ある日のこと、花子は人間につかまっていじめられているのです。太郎は、大好きな花子をいのちがけでたすけました。

 花子は、泣きながら何回もお礼をいいました。

 そんなやさしい太郎に「私はたぬき」と云えない花子。

 それから二度と太郎の前に姿を見せることはありませんでした。

 それでも太郎は逢いたくて待っているのです。

 「逢いたい逢いたい」

 仲間の河童に「白たぬきにだまさねでっぺ。」とわらわれているのです。

 太郎は白いたぬきと気がついていました。

 それでも、花子に逢いたい。

横倉 正氏手書きのパンフレットより
 この伝承をイメージとして創作民話を創りました。


通り

 駅からもほど近い陶芸店が並ぶ通りです
 大きなお店の他にも、一人の作家の作品だけを扱っているお店や、まだ若い作家の作品と推察できる、比較的に安い製品を 並べているお店など、バラエティに富んでいて、楽しめました
やまに大塚

 通りに並ぶ陶芸店の中でも、ひときわ大きな「やまに大塚」の二階が、今回の目的「かっぱ展」の会場です

 店の前には、大きな看板が出されています

かっぱ展

 階段を上がると、ポスターが貼られていました



魚釣り

 真っ先に目に入ったのは、「どじょうすくい」と題された、中くらいの作品でした

 泥鰌を取る姿が、力強く表現されていて見事です
会場内1

 会場内




会場内2

 焼き物の作品のほかに、絵も展示されています。

 焼き物の作品は、力強さや滑稽さを感じる作品が多いですが、絵は、 同じ方の作品とは思えないほど、かわいらしい画風でした
会場内3

 会場内

会場内4

 香炉も、氏の作品の重要なテーマらしく、やはり河童があしらわれた、大小の香炉が展示されています
会場内5

 陶板、花瓶のほかにも、下駄に小さな河童が群がるオブジェなど、多様な作品から、作者が好奇心旺盛な方であろうと推察できます
横倉正氏

 陶芸家の横倉正氏と、ご本人が今、最も気に入っておられるとおっしゃられていた「でっかいウナギつかんだ」と題された作品です
登窯

 すぐ近くには、登窯がありました
魚釣り河童

 通りに面したお店で見つけた魚を釣る河童です
小河童

 小さいものもありました


いっぱいやっぺ

 私が気に入って買ったのは、夫婦の河童がお酒を飲んでいる姿の「いっぱいやっぺ」です。なにしろ、私が、「飲み河童」ですからね


 横倉氏とお話をしていて、氏も、「河童連邦共和国」の国民であることが解りました。

 氏とは、「つぎは、河童サミットでお会いしましょう」と言い合ってお別れしました。これでまた、サミット参加への楽しみが一つ増え、嬉しく思っています。

 氏の作品は、「手ひねり」の手法を独自に発展させ、優れた感性でスタイルを創りあげた作品です。

 同じような手法の作品は、東京にもありますし、美濃焼にもありますね。おそらく、全国各地にあるでしょう。

 益子の一般のお店で売っていた河童の人形の中には、そんな、他の地域で造られている「手ひねり河童」と、まったく区別がつかないほど似ている製品があり、 値段は安いものでしたが買いませんでした。

 横倉氏の、個性的な作品を見た後では、とても買う気にはなれなかったからです。

 それほど、氏の作品はすばらしかったと私は感じています。

写真撮影日:2004年3月28日


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A.Sasaki@kappauv.com 佐々木